2013年08月26日

電子制御エンジン点検・修理

こんにちは!東京サービスセンターの渡邉です。

今回は電子制御のエンジンについてお話したいと思います。

海外のエンジンメーカではVOLVO・CUMMINS・CAT・MAN、国産ではISUZUなどが電子制御エンジンを開発・販売しています。

電子制御エンジンではエンジンで起きているトラブルが各メーカーごとに表示方法は異なりますが、エラーコードによって不良箇所を確認することができます。


IMGP3556.JPG

↑MANモニター(エラー発報中)エラーの内容・発生日時までわかります。

P エラー.JPG

↑VOLVOはタコメーターやボタンパネルにコード番号で表示されます。

また、各メーカーごとに独自の故障診断端末があります。
ミズノマリンでは、VOLVO・CUMMINS・CATの故障診断機を所有しています。ISUZUも現在検討中!?

IMGP3844.JPG

↑VOLVO故障診断端末VODIA

故障診断端末は電子制御エンジンをメンテナンスする上で必要不可欠なTOOLです。
エラーコードの診断・消去、コンピューターの書き換え、インジェクターやシリンダー内の圧縮状態の良否点検なども1台で可能です。

優秀なコンピューターによってモニター・制御されている最新のエンジンでもエラーコードの出ない不具合が最近多発しています。
中でも多いのは電源(バッテリー)の不良やヒューマンエラーなどが増えてきています。
電子制御のエンジンではバッテリーの重要度が上がります。電源不良でコンピューターが
破損して○十万・・・なんてことにならないようにちょっとでも弱ってきたかな?と感じた際には交換をおすすめしています。

出港前の点検を行わず、冷却水が減っていたことに気づかないまま出港してしまい、冷却水量のアラームが鳴り止まない・・・でも出ているアラームが何かもわからない。
っと言ったトラブルも有りました。

冷却水量の微妙な変化をコンピューターが感知してアラームを鳴らす。ごく自然なことですが、沖でアラームが止まらなくなると不安が大きくなってしまいますよね?

どんなにコンピューターが優秀でも、人の目が一番厳しく監視できると思います。
出向前にはエンジンオイル・清水量・ベルトの張り・燃料残量等の運行前点検を実施して、マリンレジャーを楽しんで下さい。

まだまだ暑い日が続きますので、熱射病等にはくれぐれもお気をつけてください。

 

posted by mizunomarine_tsc at 12:47| Comment(0) | メンテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月30日

VOLVO PENTA D6-435I-D熱交換器の整備

ENDOです

今回は熱交換器(Heat Exchanger. ヒートエクスチェンジャー)分解清掃をお伝えします

スタンチューブ(PSS)冷却系統のトラブルで噴出した海水がエンジンにかかり、吸気口から内部に海水を吸い込んだ可能性がありエンジンを陸揚げしました
不具合箇所の特定と電気部品の作動点検、冷却系統の整備及び錆びの除去が目的です

作業はミズノマリン東京サービスセンターで実施いたしました

ヒートエクスチェンジャーとは何かを簡単に説明すると海水を利用してエンジン冷却水(クーラント)を冷やす自動車で言うラジエターのような冷却装置です

前回はVOLVO PENTA  D4-225 Engineの海水の流れを説明しましたが
今回はVOLVO PENTA  D6. D4 Engineの基本的な冷却システムを説明します

まずEngineは水冷式で密封した冷却システムを装備しています
冷却システムには清水冷却と海水冷却の2つシステムがあります

今回は清水システムを説明します
清水(クーラント)は清水ポンプで圧送されてEngine内部を循環します
清水は清水ポンプからシリンダーライナーの周囲を通過してシリンダーブロックを通過し
シリンダーブロック内部のディストリビューションチャンネルに吐出されます
シリンダーヘッドからの清水はエキゾーストマニーホールドを通り、ターボチャジャータービンハウジングを通過してクーラント温度を制御するサーモスタットへ流れ戻ります

サーモスタットは清水の温度が低い間は閉じていて清水がヒートエクスチェンジャーに流れません
清水の温度が定められた温度に達するとサーモスタットは開きヒートエクスチェンジャーに清水が流れ通過することにより冷却されます


Engineを抜き取り工場での分解作業です

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Engine 右側に取り付けてあるヒートエクスチェンジャーを取り外します

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VOLVO PENTA  D6  Engine は熱交換器とオイルクーラーが一体になっています

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Oil バルブハウジングを取外します

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オイルクーラーを外します

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分解後の状態です

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清掃をします

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Oil バルブハウジングの分解をします

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Oil バルブを取外します

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清掃後に組立ます

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これから組立をします

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コアを入れて組立ます

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組立後にEngine に取付けて作業は完了です

@  熱交換器はエンジン内部を循環している清水冷却水(クーラント)を海水を循環   
させて熱を冷却しています
海水ラインにゴミや塩が固まって詰まり穴を塞ぐ事が有ります

A  エンジンの冷却後の海水は排気ガスとミックスして船外に排出しています
排水量が以前よりも減少した場合など海水ラインの詰まりが予想されます
その結果、十分な冷却ができなくなりエンジンを損傷するケースがあります


B マリンエンジンは1次冷却水(海水)を利用して、2次冷却水(クーラント)、 
吸入空気、エンジンオイル、マリンギヤオイル、排気エルボ等を冷却します。 1次冷却水ラインは1本の直列ラインで連結されているため、
どこか1箇所でも詰まりが生じると全ての冷却性能が低下してしまいます 

海水ラインの整備は、一度に全てを整備することを推奨します

今回はスタンチューブ(PSS) のラバーホースが破損したことによりEngine 整備を行いました

スタンチューブにはグリスコットンのタイプの他にPSSやシールスタンのタイプがあり、PSSやシールスタンはエンジン冷却水の一部をスタンチューブに配管し、海水で冷却しています
海水冷却タイプのスタンチューブはシール部が直接プロペラシャフトと接触していない為
シャフトが磨耗する恐れが無メリットと引き換えに、メンテナンスを怠ると冷却水が漏水してエンジンや周辺パーツに 潮害を与えたり、冷却水が途絶えてスタンチューブ自体が焼損する場合もあります

スタンチューブは船内と船外の水密を保つ重要な箇所であり、定期的なメンテナンスが必須となる箇所です

 
posted by mizunomarine_tsc at 11:50| Comment(0) | メンテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月15日

VOLVO TAMD41B オーバーホール(OH) シリンダーブロック@

ENDOです。

今回はVOLVO TAMD41Bのシリンダーブロック(Cylinder block) 整備です
エンジンの出力不足で依頼を受けたエンジンの整備をご紹介します

分解・清掃編

前回紹介したシリンダーヘッドのエンジンブロックです

シリンダーブロックはシリンダーライナー、ピストン、コンロッド、クランクシャフト、カムシャフトを内蔵し、補機の取付けのベースになっています
シリンダーブロック内部に潤滑油と冷却水の通路があり、上部にはシリンダーヘッド、下部にはオイルパンが取付けられています

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分解前のエンジンです

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分解前にシリンダー内のコンプレッションの有無を調べます
同じく、清水ラインの水圧検査をして漏れの有無を事前に調べます

分解前に事前に不良箇所を確認することで修理方案の検討がスムーズになります
整備後にはもちろんコンプレッションを再確認し、正常値まで回復していることを確認します

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分解作業中、シリンダーヘッド、補機類を全て外します

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オイルパンを外します

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オイルポンプを外します

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カムシャフトを外します

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ピストンを外します

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クランクシャフトを外します

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ベアリングを外したら、オイルジェットを外します
オイルジェットを使いピストンをオイルで冷却します
これが詰まっているとピストンは冷却されずに焼き付いてしまいます

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オイルラインの盲蓋を外し

シリンダーライナーを外したらエンジンからのパーツの取外し作業は終わりです

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次はピストンの分解です、まずはピストンリングを外します

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ピストンを温めてピストンピンを外します

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ピストンにはカーボンが固着しているのでしっかりと清掃し除去します

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全てのパーツを清掃します

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シリンダーブロックを清掃し、シリンダーヘッドとの合い面を整えます


次回は検査・組立をお伝えします

posted by mizunomarine_tsc at 13:31| Comment(1) | メンテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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