2012年11月30日

VOLVO PENTA D6-435I-D熱交換器の整備

ENDOです

今回は熱交換器(Heat Exchanger. ヒートエクスチェンジャー)分解清掃をお伝えします

スタンチューブ(PSS)冷却系統のトラブルで噴出した海水がエンジンにかかり、吸気口から内部に海水を吸い込んだ可能性がありエンジンを陸揚げしました
不具合箇所の特定と電気部品の作動点検、冷却系統の整備及び錆びの除去が目的です

作業はミズノマリン東京サービスセンターで実施いたしました

ヒートエクスチェンジャーとは何かを簡単に説明すると海水を利用してエンジン冷却水(クーラント)を冷やす自動車で言うラジエターのような冷却装置です

前回はVOLVO PENTA  D4-225 Engineの海水の流れを説明しましたが
今回はVOLVO PENTA  D6. D4 Engineの基本的な冷却システムを説明します

まずEngineは水冷式で密封した冷却システムを装備しています
冷却システムには清水冷却と海水冷却の2つシステムがあります

今回は清水システムを説明します
清水(クーラント)は清水ポンプで圧送されてEngine内部を循環します
清水は清水ポンプからシリンダーライナーの周囲を通過してシリンダーブロックを通過し
シリンダーブロック内部のディストリビューションチャンネルに吐出されます
シリンダーヘッドからの清水はエキゾーストマニーホールドを通り、ターボチャジャータービンハウジングを通過してクーラント温度を制御するサーモスタットへ流れ戻ります

サーモスタットは清水の温度が低い間は閉じていて清水がヒートエクスチェンジャーに流れません
清水の温度が定められた温度に達するとサーモスタットは開きヒートエクスチェンジャーに清水が流れ通過することにより冷却されます


Engineを抜き取り工場での分解作業です

1.JPG

Engine 右側に取り付けてあるヒートエクスチェンジャーを取り外します

2.JPG

VOLVO PENTA  D6  Engine は熱交換器とオイルクーラーが一体になっています

3.JPG

Oil バルブハウジングを取外します

4.JPG

オイルクーラーを外します

6.JPG

分解後の状態です

7.JPG

清掃をします

8.JPG

Oil バルブハウジングの分解をします

9.JPG

Oil バルブを取外します

10.JPG

清掃後に組立ます

11.JPG

これから組立をします

12.JPG

コアを入れて組立ます

14.JPG

組立後にEngine に取付けて作業は完了です

@  熱交換器はエンジン内部を循環している清水冷却水(クーラント)を海水を循環   
させて熱を冷却しています
海水ラインにゴミや塩が固まって詰まり穴を塞ぐ事が有ります

A  エンジンの冷却後の海水は排気ガスとミックスして船外に排出しています
排水量が以前よりも減少した場合など海水ラインの詰まりが予想されます
その結果、十分な冷却ができなくなりエンジンを損傷するケースがあります


B マリンエンジンは1次冷却水(海水)を利用して、2次冷却水(クーラント)、 
吸入空気、エンジンオイル、マリンギヤオイル、排気エルボ等を冷却します。 1次冷却水ラインは1本の直列ラインで連結されているため、
どこか1箇所でも詰まりが生じると全ての冷却性能が低下してしまいます 

海水ラインの整備は、一度に全てを整備することを推奨します

今回はスタンチューブ(PSS) のラバーホースが破損したことによりEngine 整備を行いました

スタンチューブにはグリスコットンのタイプの他にPSSやシールスタンのタイプがあり、PSSやシールスタンはエンジン冷却水の一部をスタンチューブに配管し、海水で冷却しています
海水冷却タイプのスタンチューブはシール部が直接プロペラシャフトと接触していない為
シャフトが磨耗する恐れが無メリットと引き換えに、メンテナンスを怠ると冷却水が漏水してエンジンや周辺パーツに 潮害を与えたり、冷却水が途絶えてスタンチューブ自体が焼損する場合もあります

スタンチューブは船内と船外の水密を保つ重要な箇所であり、定期的なメンテナンスが必須となる箇所です

 
posted by mizunomarine_tsc at 11:50| Comment(0) | メンテナンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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